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DISEASES
犬の去勢手術
動物の種類病気について
目次
早期の去勢手術のメリット
去勢手術により以下の病気を予防することができます。
⚫︎精巣腫瘍 ⚫︎前立腺肥大 ⚫︎肛門周囲腺腫 ⚫︎問題行動
精巣腫瘍
精巣は元々お腹の中にあります。
成長とともに、鼠径部を通り陰嚢内に移動します。
精巣が陰嚢内に移動しない先天的な病気を「潜在精巣(陰睾)」といいます。
潜在精巣の場合、精巣腫瘍の発生リスクが10倍以上に上がります。
精巣腫瘍には、重度の貧血を引き起こし、一度発症すると治らない問題が発生することがあります。
精巣が大きい、形が変わったなどは注意が必要です。
前立腺肥大
前立腺とは、膀胱の後ろにある臓器で、精子に栄養を与えるための臓器です。
年齢とともにホルモンバランスが乱れ、発症します。
前立腺が大きくなり、尿漏れ、排尿痛、便秘、排便痛の症状が見られます。
お薬で管理しやすいものの、継続する必要があります。
去勢手術で発症予防が可能です。
肛門周囲腺腫
子宮に大量の膿がたまる救急の感染症です。
発見が遅れると急激に具合が悪くなり、亡くなるリスクも高くなります。
卵巣から出る性ホルモンの異常により、免疫力が低下し、子宮に感染が起き発症します
治療としては、以下の両方が必要となります
- 外科手術として、卵巣/子宮切除
- 内科治療として、循環確保のため入院点滴治療
細菌薬剤感受性検査をもとに、抗菌剤投与
手術で切除し、無事に回復すれば再発することはありません。
手術を回避する方法として、子宮内の膿を排出する注射薬があります。
こちらは一時的に症状が良化する可能性があるものの、再発が見られます。
発症前の卵巣/子宮切除で予防が可能です。
早期の避妊手術のデメリット
麻酔、手術を受けることは、少なからず身体の負担になります。
十分に術前検査を受けて、可能な限りリスクを排除し、安全に手術を終了することが大切です。
避妊手術の後は、基礎代謝が多少落ちるため、太りやすくなります。
適切な食事の選択と量の調整が必要となります。
専用の療法食もありますので、お気軽にご相談ください。
手術の適切なタイミングは?
初回発情前に卵巣/子宮を摘出することが、最も病気予防のメリットが大きいです。
成長・発育状況を考慮すると6〜8ヶ月齢の間の手術が理想的です。
内臓の成熟により麻酔リスクが安定することと、骨の成長がほぼ終了し発育に影響しない年齢です。
出産を検討されている方は、一度獣医師にご相談ください。
手術方法
当院では、腹腔鏡手術が可能です。
腹腔鏡手術
約5mmの切開で、カメラと器具を挿入し、卵巣を牽引することなく、お腹の中で卵巣を切除します。
卵巣と子宮間膜の血管を処理し、一つの穴から卵巣と子宮をまとめて摘出します。
通常5mmの切開サイズはお腹を縫合する時の間隔と同様のため、負担が最小限であると考えられます。
術中と術後の痛みが小さく、身体の負担が少ないため、ほとんどの子が当日にに食欲がもどります。
腹腔鏡手術のデメリットは、以下の通りです
- 開腹手術と比べ麻酔時間がやや延長する
- 機材の準備や滅菌処置にコストがかかるため費用がかかる。
開腹手術
従来の開腹手術は、約5〜10cmお腹を切開し、卵巣と子宮を体外へ牽引し、摘出します。
手術に伴う合併症リスクは、あまり差がありません。
若齢時の予防的避妊手術の場合、金額の目安(麻酔、鎮痛、点滴/投薬、入院代含む)
体格 | 金額(腹腔鏡手術) | 金額(開腹手術) |
---|---|---|
小型〜中型犬 | 約6〜7万円 | 約3〜4万円 |
大型犬 | 約8〜9万円 | 約5〜6万円 |
超大型犬 | 約10〜12万円 | 約7~10万円 |
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